1.評価制度

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「普通科はいいぞ。部屋は綺麗だし、今までの先輩達からの寄付や学園からの支給金も多い。毎日の昼食代も出る。ただし、普通科はランク主義で、学年関係なく、ランクが下の奴が雑用っていうのがルールだ。そして、寮の内情をバラされたり、雑用をボイコットされたりっていうのを防ぐために、寮長に必ずIDを教えてもらう」 「それを覚悟で、優雅で楽しい学園生活を送りたいという子、ランクに自信があるという子はぜひ普通科に来てください」  Bランクの女子がそう締めくくり、普通科は後ろに下がった。  次が先端技術科の番だ。咲希は蓮と共に教卓の前に立った。 「はじめまして。先端技術科の4年生の結坂咲希と」 「8年の澤田蓮だ」  新入生を見回し、注目が集まったことを確認してから口を開く。 「先端技術科はパソコンやIT技術に特化した寮です。寮内でいくつかの班をつくっていて、寮ごとの活動時間には班の先輩に様々な技術を習います」  本部の人にも見られてる。落ち着いた、聞き取りやすい声を意識した。 「また、寄付や寮への支給金も多いので、ランクに関係なく毎日10苑の昼食代が出ます。これで大抵の昼食は食べられるし、ウチは寮長がグルメなので朝食・夕食も豪華。そして人数が一番少ないから、部屋も他の寮より広く、寮内の結束も強いです」  ここまで言えば、新入生達の瞳は一気に輝きを増す。
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