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4.Ｚ
学園には何カ所かあまり知られてない穴場がある。その一つがココ、校舎の南側にある小さな森だ。本当に木しかないし、そもそも普通の生徒は校舎とショップ街、寮の周り以外に足を運ぶことも少ない。
他の生徒が来ないココならば。
「ジスラン、行っておいで」
ワン。一鳴きして嬉しそうに尻尾を振るジスランを、自由に走り回らせることができる。
「こっちでも噂になってるぞ」
「何て？」
「ウチのＡランク二人に圧倒的な差で大勝。今度は特別考課いくらついたんだーって」
寮の違う兄と、人目を気にすることなく色んな話ができる。
「水泳は一番の取り柄だもーん。他の寮の人にはほとんど知られてないから助かっちゃった」
人目がないことも手伝って、久しぶりに外で素の自分に戻って、大きく伸びをした。
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