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そして、リューマと小さいケンカを避ける為に、少し距離を置いた方がいいと思って……。
リューマだって機嫌悪い私と常にいるより
開放的になれると思ったけど……?
私が問いたげにリューマ見つめていると
それに気づいたリューマが息をついて、横にいる私に視線を落とした。
「ミユキはオレの面倒がイヤになったワケ?
キスだってあんなに激しく拒否するし」
落胆するような声で呟くように言った。
見上げると、リューマの瞳が哀しそうに揺れている。
そして、イラただしさも滲み出していた。
「そんな事ない。
私もくだらないヤキモチを妬いてリューマを不機嫌にしたくないし、少しお互い距離を置いた方がいいんじゃないかって思ったから、
以前にオファーあった事務所にメールで契約内容を確認しあってたの」
私はリューマの機嫌を損なわないように努めながら説明をした。
けれど、リューマの表情は険しくなる一方だった。
「ミユキがなんでヤキモチを妬くのかが分かんないだけど」
そう言うと目を険しくさせたまま ゆっくり顔を近づけてきた。
手が私の頬に触れて
リューマの唇が重なって
リューマの前髪が自分の目にパサッとかかる。
サロンで使ってる同じシャンプーの香りが鼻をかすめた。
いつもより荒々しく強引なキスを浴びせられて
体に力が入らなくなる。
深く口づけをされて
舌を絡み取られた。
お互い吐息が荒くなって
次第に体が熱を帯びてくる。
綺麗なリューマ。
目をうっすら開けると
伏せられた長いまつ毛がボヤッと見える。
リューマとこうやってキスを交わしている時間が幸せ過ぎて、
どうしてリューマと距離を置きたいと思ったのか
分からなくなりそうだった。
リューマは私の衣服をたくしあげてそっと肌に触れた。
少し冷たい指先に体がビクンと震えた。
「あーもう、めんどい。 風呂は後で入りなよ。ベッドに行こう」
リューマは少し高揚させた顔で私を見ながら
私の手を取って上半身を起こした。
「ここで裸になって風邪引くのもイヤだしな」
リューマは私の手首を掴みながら寝室に引っ張って行く。
「事務所の方が、いい仕事回ってくるよ?」
早く返事をしないといけなくて、最終確認のつもりで訊くと
リューマは呆れたように溜め息を吐き出した。
「その話は終わったの」
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