第1章

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そして、リューマと小さいケンカを避ける為に、少し距離を置いた方がいいと思って……。 リューマだって機嫌悪い私と常にいるより 開放的になれると思ったけど……? 私が問いたげにリューマ見つめていると それに気づいたリューマが息をついて、横にいる私に視線を落とした。 「ミユキはオレの面倒がイヤになったワケ? キスだってあんなに激しく拒否するし」 落胆するような声で呟くように言った。 見上げると、リューマの瞳が哀しそうに揺れている。 そして、イラただしさも滲み出していた。 「そんな事ない。 私もくだらないヤキモチを妬いてリューマを不機嫌にしたくないし、少しお互い距離を置いた方がいいんじゃないかって思ったから、 以前にオファーあった事務所にメールで契約内容を確認しあってたの」 私はリューマの機嫌を損なわないように努めながら説明をした。 けれど、リューマの表情は険しくなる一方だった。 「ミユキがなんでヤキモチを妬くのかが分かんないだけど」 そう言うと目を険しくさせたまま ゆっくり顔を近づけてきた。 手が私の頬に触れて リューマの唇が重なって リューマの前髪が自分の目にパサッとかかる。 サロンで使ってる同じシャンプーの香りが鼻をかすめた。 いつもより荒々しく強引なキスを浴びせられて 体に力が入らなくなる。 深く口づけをされて 舌を絡み取られた。 お互い吐息が荒くなって 次第に体が熱を帯びてくる。 綺麗なリューマ。 目をうっすら開けると 伏せられた長いまつ毛がボヤッと見える。 リューマとこうやってキスを交わしている時間が幸せ過ぎて、 どうしてリューマと距離を置きたいと思ったのか 分からなくなりそうだった。 リューマは私の衣服をたくしあげてそっと肌に触れた。 少し冷たい指先に体がビクンと震えた。 「あーもう、めんどい。 風呂は後で入りなよ。ベッドに行こう」 リューマは少し高揚させた顔で私を見ながら 私の手を取って上半身を起こした。 「ここで裸になって風邪引くのもイヤだしな」 リューマは私の手首を掴みながら寝室に引っ張って行く。 「事務所の方が、いい仕事回ってくるよ?」 早く返事をしないといけなくて、最終確認のつもりで訊くと リューマは呆れたように溜め息を吐き出した。 「その話は終わったの」
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