本編

パルコ27歳喪女歴年齢ビッチ

鼻毛カッターが見つからないから眉毛とか切る小さいハサミで鼻毛ちゃんたちとばいばいきん。
喪女長いことやってると暇の使い方も慣れたもので、ソファーで横になりケータイぽちぽちしながらテレビの音を聞く。さらに床には開いてるカラムーチョとジンジャーエールの残りがあって、あー、うん。世界人類幸福度ランキングとかがもしあったら、今のマッタリモードなアタシは10億位以内には絶対入る気がする。

カズヤからの返事はない。あ、かっぱ寿司からメルマガがきた。このケータイも不憫なヤツだよ。アタシになんか買われたもんだから全然仕事してないよ。でもアンタのおかげでアタシはボンバーマンやったり掲示板見たりできてるんだよ。いつもありがとね。

ポチポチしてたら３時になってた。休みなんかそう、いつもこんな感じで終わる。だけど今日はカズヤに会える。愛されてないと思うけど、やっぱり抱かれるのは嬉しい。普段着ないけど、たまには小奇麗なカーディガンでも羽織ろう。多分ニセモノだけど、ネットで買ったプラダのサンダル履いてこう。髪も綺麗にあげていこう。あー。どうせすぐ脱がされちゃうけどアンフィのブラとパンツも着けよう。どーしよ、頭の中ハートマークでいっぱいだよ。このハートマークをカタチにして売ってるんだからハートマーケットは儲かってるんだろうね多分。そうだ、バブ持って行こう！パターン的にお風呂入るだろうし、ラブホに入浴剤ないかもしんないし！あとはあとは…あ、念のため軽く食べてから行こう…シャレオツなお店って量少ないし、やっぱり少食な小動物風女子の方が世の殿方はそそるでしょうしね！さっきコンビニで何か買ってくればよかったなぁ…あーそういえばペヤングあった…青のり着いたらイヤだけど、いま食べてシャワー浴びて歯を磨いてから化粧して出たらちょうど良いかな？

そしてアタシはペヤングを食べる。ほどよくスパイシーなソースによく絡む麺、アクセントとなる甘さの効いたキャベツの組み合わせは最高だ。思わず「まいうー」などと声に出てしまう。だれもいない家の壁にアタシの「まいうー」が吸い込まれていき、これから確実に訪れる幸福にアタシの胸は高鳴っていた。今日はこれまで「ハイライトのメンソ」と「まいうー」としか喋ってない。口が退化して喋れなくなっても構わない。話なんかできなくても、ごはんが食べられてキスができたら口なんかそれでいいや。