1039人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや?もう朝だから起きただけだけど?」
クスクスと耳元で笑いつつ、克也が私の顔を覗き込む。
「ほら、またクマ作ってる。集中するのは良いけど、無理はダメだよ?」
「ん、ごめん…って、朝!?」
慌てて立ち上がると、確かに窓の外は青空が広がっている。
時計に視線を移すと既に7時になっていた。
「ご、ごめんほんとに!!今すぐ朝ごはん作るから!!」
まだパジャマ姿の克也に言うと、克也がクスリと笑う。
その笑顔にキュンときているとそのまま抱き締められた。
「今日は日曜日だよ?ゆっくりで良いよ。それより、仕事、終わったの?」
に…日曜日!?
曜日感覚までなくなってるとは情けない…。
自分自身に呆れながらも克也の背中に腕を回す。
「うん、とりあえず短編は終わったから、2、3日ゆっくり長編を進めるつもり。」
「良かった。このままパソコンに楓を奪われるかと思ったよ。」
そう言いながら克也が笑っている。
いやいや、笑えない。
「ほんとごめんねー…」
「ほんとに悪いと思ってる?」
そえ言って克也が少しだけ体を離して私の瞳を見据える。
その口元が怪しげに笑っているのを見て、私はゴクリと喉を鳴らした。
「締切近くてお預けだったよね?限界なんだけど?今日はベッドから出れないと思ってね。」
意地悪な笑みに頬が紅潮する。
もうひとつ、克也の情報が抜けていた。
彼は…私の旦那様は、とてつもなくドSだ。
最初のコメントを投稿しよう!