プロローグ

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「いや?もう朝だから起きただけだけど?」 クスクスと耳元で笑いつつ、克也が私の顔を覗き込む。 「ほら、またクマ作ってる。集中するのは良いけど、無理はダメだよ?」 「ん、ごめん…って、朝!?」 慌てて立ち上がると、確かに窓の外は青空が広がっている。 時計に視線を移すと既に7時になっていた。 「ご、ごめんほんとに!!今すぐ朝ごはん作るから!!」 まだパジャマ姿の克也に言うと、克也がクスリと笑う。 その笑顔にキュンときているとそのまま抱き締められた。 「今日は日曜日だよ?ゆっくりで良いよ。それより、仕事、終わったの?」 に…日曜日!? 曜日感覚までなくなってるとは情けない…。 自分自身に呆れながらも克也の背中に腕を回す。 「うん、とりあえず短編は終わったから、2、3日ゆっくり長編を進めるつもり。」 「良かった。このままパソコンに楓を奪われるかと思ったよ。」 そう言いながら克也が笑っている。 いやいや、笑えない。 「ほんとごめんねー…」 「ほんとに悪いと思ってる?」 そえ言って克也が少しだけ体を離して私の瞳を見据える。 その口元が怪しげに笑っているのを見て、私はゴクリと喉を鳴らした。 「締切近くてお預けだったよね?限界なんだけど?今日はベッドから出れないと思ってね。」 意地悪な笑みに頬が紅潮する。 もうひとつ、克也の情報が抜けていた。 彼は…私の旦那様は、とてつもなくドSだ。
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