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ベッドの上で散々鳴かされて、ぐったりと体を沈める。
既に時計は午後3時になっていた。
ほ…ほんとにどんだけするのよ…。
そう思いつつ、それが嫌ではないのだからたちが悪い。
克也は私の額にキスをひとつ落とし、ご機嫌で寝室を出ていった。
あちこちに落とされたキスマークを撫でつつ、ふぅ、と息をつく。
そういえばご飯を食べてないな。
とか、
そういえばお買い物行かなきゃな、
とか、しなきゃいけないことはたくさんあるのに、体は動きそうもない。
まだ快感に震える体は、少し動かしただけで軋みそうだ。
真っ白な天井を眺めていたら、香ばしい匂いが漂ってきた。
克也が何か食べるものを作ってくれているらしい。
なんてできた旦那様だろうか。
克也は…私にはもったいないほどの人だ。
弱くて、情けなくて、でも諦めが悪くて。
そんな私をここまで愛してくれる人なんて、きっと克也くらいだ。
だけど…。
そっと、ベッドの横にあるゴミ箱に視線を落とす。
今日も…克也はきっちりと避妊をした。
そう考え、ズキリと胸が痛む。
子供が欲しい、と私が初めて口にしたのは…結婚して1年目の冬だった。
年齢的にも早く子供がほしかった。
大好きな克也の子供を生みたいと、そう願っていた。
克也もきっと賛同してくれると思ったけど、まだ二人きりを楽しみたいと、そう言われては何も言えなかった。
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