精霊の儀

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リヒトは成功の喜びからか一人歓喜し、此方に手を振ってくる。 そんなリヒト違い、冷雹竜が消え去った祭壇を凝視し続ける守護隊長と三人組。 守護隊長の驚愕の顔が目に入らなかったのか、横を素通りし駆けてくる。 きっとあのバカはわかっていない。自分がどれだけのことをしたのか。竜という存在が何を意味しているのかを。 「アス兄見てた。僕上位と契約できたよ」 駆け寄ってきて褒めてと初めてお座りができた仔犬のような笑顔を向けてくる。 横目で隣の様子を伺うと案の定このイケメンスマイルに頬を赤く染めている女の子達が映りこんできた。 心の中で舌打ちをし、理解していないバカをいろんな意味でしばきたい衝動をぐっと堪える。 「お前さ自分が何したかわかってんのか」 「何って儀式に成功したんだよ。ほら」 そういって手に持っていた精霊石を見せてきた。 リヒトの精霊石は爽快なコバルトブルーに鱗のようの紋様が刻み込まれている。 「ほらじゃねえよ。竜が何か言ってみろ」 「う~ん。強そう」 「っ~」 答えがバカ過ぎるので、とりあえず殴ってみた。 バカなのに俺の努力を軽々と凌駕するこいつに殺意を抱くのはおかしいことなのだろうか。 「竜って言ったら誰もが知っている唯一判別できる最上位だろ」
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