精霊の宴

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体を覆っていた光が薄れていき視界が鮮明になる。 祭壇、守護隊長、リヒト達と俺が数十分前に見たものと変わらない光景が目に入る。 先程までの出来事が夢ではないかと思うが、俺の手に握られたままの剣が現実であっことを実感させる。 「ほ~それがお前の精霊か」 守護隊長の言葉に傍らに立つ存在に気づく。 「黒い麒麟…」 極少数な為に一般的には知られてはいないが、図書の召喚事例等を紐解けば掲載されており、最上位の存在として知られる獣。 「お前が俺の契約精霊なのか」 俺の問い掛けが理解できたのか、麒麟は頷き肯定の意を示す。 「これって同時召喚なのか」 麒麟の反応に俺は先程まで伴に居たティアが俺の契約精霊であると告げられたことから同時召喚なのか確認する。 『何を言うておる私じゃ』 突如、頭のなかに鳴り響く声にかぶりを振る。 『何処を見ておる。此方じゃ』 「お前なのか」 漆黒の瞳で見据えてくる麒麟に問い掛ける。 『そうじゃ。訳あって今はこの姿なのじゃ』 「そうか。わかった」 『理解が早くて助かる』 言い終えると光に包み込まれ消える。 「ほら、契約が終わったなら戻れ」 暫し麒麟の消え去った後を眺めていると、守護隊長に促され足早に祭壇を後にする。
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