第1話:“孤独”

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慣れとは恐ろしいもので、親に捨てられてから3年―‥8歳になる頃には孤独とは当たり前の代物。そんな感覚さえあった。 それでも、幼い子供が一人と言うものは、必ず恐怖は付き纏う‥。 だが、それは親の恋しさからくる孤独感では無く 悲しい事に 一番の恐怖は飢えだった。 “死”と言うべきか もっともみじかに感じたのがそれだ。 だが、それもすぐに無くなる。 “生き方”を学ぶのに そう時間は掛からない‥。 生きる上で、まず初めに覚えた事は“裏切り” 人間の大人はすぐに騙せた。 数日飯を頂き、隙を見て金を盗む―‥。 俺の能力も普段は発動しないらしく、簡単な仕事だった。
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