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仲間が居なくなった分、全てを独り占め出来た。
正直暮らしには困っていない。
今ある恐怖は、そのアビリティからの使者がいつ俺にも来るか‥。それだけだ。
そんなある日、俺は一人の女に出会う。
『ねぇ‥
君いつもここにいるよね!
名前‥なんて言うの?』
俺と大して変わらぬ歳であろう女‥いや、少女と言うべきか。
そんな女の言葉に俺は耳を傾ける気はなかった。
汚い路地裏‥ここは俺の家。
誰にも邪魔はさせない。
誰も近付くな‥。
『ねぇってば‥
名前くらい教えてよ!
あっいけない‥あたしは“エル=リアム”よろしくねっ』
エル―…
不思議な女‥。
セミロングの黄色い髪に青い瞳の少女‥。
服装は綺麗なドレスを着ていた。きっと近くの富豪の娘だろう‥気に食わない。
その綺麗な瞳には、俺はどう写っている?
汚らしい俺と別の世界に生きる女―‥。
その日、結局俺は何も答えなかった。
日が暮れる頃には女も消えていた。
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