第1話:“孤独”

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仲間が居なくなった分、全てを独り占め出来た。 正直暮らしには困っていない。 今ある恐怖は、そのアビリティからの使者がいつ俺にも来るか‥。それだけだ。 そんなある日、俺は一人の女に出会う。 『ねぇ‥ 君いつもここにいるよね! 名前‥なんて言うの?』 俺と大して変わらぬ歳であろう女‥いや、少女と言うべきか。 そんな女の言葉に俺は耳を傾ける気はなかった。 汚い路地裏‥ここは俺の家。 誰にも邪魔はさせない。 誰も近付くな‥。 『ねぇってば‥ 名前くらい教えてよ! あっいけない‥あたしは“エル=リアム”よろしくねっ』 エル―… 不思議な女‥。 セミロングの黄色い髪に青い瞳の少女‥。 服装は綺麗なドレスを着ていた。きっと近くの富豪の娘だろう‥気に食わない。 その綺麗な瞳には、俺はどう写っている? 汚らしい俺と別の世界に生きる女―‥。 その日、結局俺は何も答えなかった。 日が暮れる頃には女も消えていた。
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