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何度も、何度も…
優しい唇が
優しい掌が、指先が…
湿った肌の上を優しく滑って
少しだけ、意地悪な…
司に与えられる温もりが
絶え間なく、降り注がれて…
自分じゃないような気がして
口から漏れてくる声も、何もかもが恥ずかしくて唇を噛み締めてた
「葵ぃ、声…聞かせて…」
そう言いって口付けられて…
「………あ…んっ、…イヤ」
溢れた声が厭らしく響いていく
「可愛いよ?…力…抜いて」
司の腕のなかで、ただ、クラクラと…
意識が遠くなってくのが怖くて
「……やっ、……あっ…んんっ」
司に、心も身体も何もかも…
委ねるようにして、夢中になって司を離さないようにすがりついてた……。
「……葵ぃ」
名前を呼ばれるたびに…
痛みも怖さまでも遠のくようで
胸の奥 から愛しさが込み上げてくるようで幸せだった。
何度も…何度も…
司の背中に抱きついて、
意識が無くなっていくのを…
何処か、遠くで感じながら……。
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