.。o○.3年前の夏.。o○

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「あの浴衣が、いいと思うけどなぁ…」 「……う~ん。けど、これ綺麗!どうしよう。……ん、司、なんか言った?」 「……前のが、似合ってた…」 「……あ、去年の?」 ーー暑い夏。 また、阿波おどりのシーズンが間近になっていた。 司と出逢うことが出来た……夏。 ずっとこれからも、忘れることなんて無いんだろうな……。 そう思うと、はしゃいでしまう私。 店に入れば、新作の浴衣や水着が沢山あって、欲しくなって見てしまう。 さっきから、 機嫌悪いような司だったけど。 理由が解って、頬が緩んでしまった。 「でもなぁ、古いし。買い替えようかなぁ?」 嬉しくて、わざと意地悪を言ってしまう。 「浴衣や、どれでも一緒やろ」 「うん!ヤッパリ、買うのやめとく」 怒ったように言う司の腕に、 自分の腕を絡めて顔をくっつけた。 「葵、暑いんやけど…」 「クーラー効いてて、寒いもん」
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