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「……なぁ、葵ぃ。まだ寝んの?」
「ん?……あれ、もうそんな時間だったん?」
その言葉で時間を見たら、
気付かないうちに午前1時を過ぎていた。
「集中し過ぎじゃ…アホ!はよう寝よう…」
「…ごめん。起こして…」
「…いいって、寝つけんかったけん…」
少し怒ってたけど、
優しくぎゅっとしてから
抱き上げて、ベッドまで運んでくれた。
……ホンマは、
もう眠ってた筈やのに。
司の優しい嘘が嬉しかった。
そんな司に、少しでも想いを伝えたくて…
「……司ぁ、ありがとう…」
そっと呟くように伝えた。
「…葵ぃ?凄い熱いけど、いけるん?」
「ん。眠いんと、怠いだけ…」
「…アホやなぁ…」
「…ごめん…」
ちょっと『熱っぽいなぁ』
とは思ったけど、熱があったけんか。
そう思いながら、
司の優しい腕のなかで
安心した私は、そのまま眠ってしまってた。
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