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卒論のテーマは『雨月物語』のことを書くことにした。
ちょっと内容は暗いけど、
関連した資料とか結構あるし
女の人の心情とか、情念とか、
そういうのだったら…
書きやすいかなって、安易な考えだけど。
「葵ぃ、卒論?」
「うん。なんとかテーマ決まったけん、題どうしようかなぁって…」
「文科って、大変やな?短大やのに…」
「うん…」
「PC使うやろ?俺もう終わっとうし。いつでも使っていいけん…」
「そうなん?いつしよったん?」
「講義の合間に少しずつ…」
バイトや踊りの練習とかで忙しかったのに。
「…司って、凄いなぁ?私も頑張ろっと」
「凄いことないって。それより、無理すんなよ…」
「うん。まだまだ時間あるけん、いけるよ?」
「…だったら、いいけどな…」
この時の私は、
司に心配を掛けるのが嫌で、
少し無理をしてたのかもしれない。
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