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翌朝目を覚ますと、
司が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「……ん、おはよう」
「おはよう、葵、いけるん?凄い熱いし、ボーッとしとうけど」
額に手を当てながら言われて、起き上がろうとしたら…
身体が重いし痛いし怠くて無理だった。
「……風邪かな?首も痛いし、もうちょっと眠っとく…」
「うん。熱測ろうな」
「んぅ」
司から体温計を受け取り、
瞼を閉じて静かにしてたら電子音が鳴り響いた。
「39℃もあるな。俺が帰って来たら病院行こうな?今日の授業午前中だけやけん。葵、我慢できるん?」
私の額に手を置いたまま、
ゆっくり話す司に答えながら瞼を閉じて…
「うん、眠いけん、眠っとく…」
「…ほな、行ってくるな。なんかあったら電話かけてこいよな」
「……んぅ」
ガチャ
というドアが閉まる音を遠くに感じながら眠りについたようだった。
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