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「ふふ、さっきは、ぶつかって痛かったよね?ごめんね」
「男やけんいけるし!」
ぶつけた脚を床にドンドンさせて見せてくれる竜司くん。
メチャメチャ可愛いんやけど…
言ったら怒られそうやから、言うのはやめた。
「ほな、お母さん探そうか?」
「うん」
とりあえず受付で聞くことにして向かおうとしたら、
「あ、お母さんっ」
私の後ろを指差してそう言うから、
振り返って見てみるとお母さんらしき人が視界に入ってきた。
竜司くんに気づいて、女の人がこちらに走って近づいてくる。
「竜司、待っててって言ったのに。この子がご迷惑おかけしてすみませんでした」
「ごめんなさい、トイレに行きたかったけん」
「いえ、気にしないで下さい、お話ししてただけですから」
「そうだったんですか?ありがとうございます」
竜司くんの隣に立って頭を上げた女の人の顔を見て、驚いてしまった。
私も竜司くんのお母さんも……。
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