124人が本棚に入れています
本棚に追加
あんまり由貴にばっかり甘えるのもイヤで、
この日は、少し離れてるけどお姉ちゃん夫婦の部屋に行くことにした。
ちょうど出産を控えてるから、様子も見たかったし。
「いらっしゃい、司くんは?」
「……お姉ちゃんっ、うぅ~」
「ちょっと葵ぃ?何?」
お姉ちゃんから司の名前を聞いたら、我慢してた反動からか、
お姉ちゃんに抱きついて泣き出してしまった。
「なんかあったん?葵ぃ?」
「うぅ~」
「泣いてばっかりでわからんのやけど」
「……葵が茜さんに抱きついて泣いてるし。ダサァ」
「うわぁ、お姉ちゃんの後ろに変なんが見えるぅ」
「変なんで悪かったな!葵、泣いてる割りには冷静やなぁ?」
「ウルサイ~」
「ふたりとも顔見たらすぐにケンカする!」
「「ケンカでないし!」」
お義兄ちゃんの弟で、私の1つ歳下の剛(ツヨシ)が居たから驚いて涙が引っ込んでしまった。
「なんで、剛がおるん?」
「夕飯食べに来てるんやけど、何か?」
「別にっ」
私と剛は認めたくないけど性格が似ているせいか、いつも言い合いになってしまうのだった。
最初のコメントを投稿しよう!