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今年から大学に通い始めた剛はアパートが近いため、夕飯を毎日食べに来ているらしい。
「剛って大学入れとったん?」
「失礼やな、プーのクセに」
「お姉ちゃん言うたん?」
「お母さんたちが言ったん違うん?私は知らんよ」
「それより葵と結婚する物好きって司って言うん?」
「なんで知っとん?」
「泣く前に言よったし、浮気でもされたん?」
「え?うそっ、司くんが?」
「……お姉ちゃん、剛のことは無視していいけん、有ること無いこと言うのに」
「さっきまで泣いてたヤツがウルサイ。どーせフラれるのに」
「……違うもん」
今はそっとしてて欲しいのに。
また思い出して気持ちが沈んでしまう……。
鼻の奥がツーンとしてきたし。
「葵ぃ、やっぱりなんかあったん?」
「ううん、なんでもない」
「泣きながら言うなっ」
「……ウルサイ」
「葵ぃ?どうしたん?」
泣いてるのを見られたくなくてコタツに顔を伏せると、心配したお姉ちゃんが背中を擦ってくれた。
そしたら、余計涙が止まらなくなって、
お姉ちゃんと剛の前で、暫く泣くこととなった。
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