.。o○めぐる季節~卒業~.。o○

8/20
前へ
/20ページ
次へ
今年から大学に通い始めた剛はアパートが近いため、夕飯を毎日食べに来ているらしい。 「剛って大学入れとったん?」 「失礼やな、プーのクセに」 「お姉ちゃん言うたん?」 「お母さんたちが言ったん違うん?私は知らんよ」 「それより葵と結婚する物好きって司って言うん?」 「なんで知っとん?」 「泣く前に言よったし、浮気でもされたん?」 「え?うそっ、司くんが?」 「……お姉ちゃん、剛のことは無視していいけん、有ること無いこと言うのに」 「さっきまで泣いてたヤツがウルサイ。どーせフラれるのに」 「……違うもん」 今はそっとしてて欲しいのに。 また思い出して気持ちが沈んでしまう……。 鼻の奥がツーンとしてきたし。 「葵ぃ、やっぱりなんかあったん?」 「ううん、なんでもない」 「泣きながら言うなっ」 「……ウルサイ」 「葵ぃ?どうしたん?」 泣いてるのを見られたくなくてコタツに顔を伏せると、心配したお姉ちゃんが背中を擦ってくれた。 そしたら、余計涙が止まらなくなって、 お姉ちゃんと剛の前で、暫く泣くこととなった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

124人が本棚に入れています
本棚に追加