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「今は言いたくない」
「葵ぃ」
「あいかわらず、頑固やな?カレシに言われんの?可愛いげがないとか」
「司はそんなこと言わんもん」
司のことを言われると腹が立って、剛を睨みながら強い口調で言ってしまった。
「ふうん、オモロウない」
「お姉ちゃん、剛追い出してぇ」
「もう、葵も剛くんもいい加減にして、胎教に悪いけん」
怒ったお姉ちゃんはキッチンに行ってしまった。
せっかくお姉ちゃんが聞いてくれてたのに…。
剛が私のカンにさわることを言ってくるから、イライラしてしまう。
剛とは家も近くで、
小さい頃から年下のクセに生意気なことをよく言われていた。
それを思い出したら余計腹が立ってくる。
お義兄ちゃんはスゴい優しいのに…。
「そんなに泣きながら睨むな」
そう呟いた剛が突然私の頭に手を乗せてきたと思ったら、
「……何?」
「いや、まぁ一応葵も女やし」
「は?!一応ってなによ?」
「泣くな」
優しく頭を撫でられて驚いてしまった。
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