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「剛、離してっ」
「葵が泣くんやめたら離す。まだ泣くんだったらこのまま押し倒す」
剛がムチャクチャなことを言うから、
「やめてっ」
私が思いっきり払いのけようとしたらすっと私から離れて急に笑いながら話し出した。
「やっと泣き止んだ。葵って変わらんよな?怒ってるうちに泣くん忘れるん?子供の時のまんまやな」
「ウルサイ」
「ホンマのことやろ?それより理由はなんなん?ひとに心配かけたんやけん、聞く権利あるよな?」
剛に聞かれて迷ったけど、
誰かに聞いて欲しかったって気持ちもあったから剛に言うことにしたのだった。
「はぁ?!子供ってアイツの?」
「うん」
「なんかの間違いでないん?葵って抜けたとこあるけん。勘違いとか」
「ちゃんと確認したもん」
「そうだったとしても、別れてからやろ?知らんのやろ?放っといたらいいんちがうん」
「泣きながらお父さんに会いたいって言ってたもん」
そう言うと、人が良すぎるって呆れたように言われた。
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