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「剛は他人事(ヒトゴト)やけん、そう言えるんでぇ」
さっきから言いたいほうだいの剛の言葉を思い出して、またイライラしてきた私は思いっきり剛を睨み付けた。
「ホンマに他人事やし」
「心配とか言よったのに」
「葵は親戚やけど、司とは他人やし」
この前も感じたけど、
剛が司のことを良く思ってないような気がした私は一応、確かめることにした。
「剛って、私のこと好きなん?」
「はぁ!?あり得んし、オレは素直で胸の大きい子がタイプやし、自惚れんな!」
「素直じゃなくて、胸も小さくてごめんね、失礼な」
そうだよね。そんな訳ないよね。小さい頃から私と剛は姉弟みたいなもんだったし。
「別れることないと思うけどな、司みたいな物好き他におらんと思うけどなぁ」
「竜司くんにはお父さんと一緒に暮らしてほしいもん。もう、決めたし」
俯いてボソッと言うと
「どうせ頑固やけん聞かんよな、できることは協力するけん、ひとりで悩むなよな」
少し呆れたように笑いながら「弟みたいなもんやし」って言ってくれた。
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