.。o○.めぐる季節~卒業~後編。o○

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「司ぁ、恥ずかしいよ」 「ほな、行こう」 胸に顔を埋めたままで居るのが恥ずかしくて、司のスーツの襟を引っ張って伝えると…、 私からスッと離れて歩き出した司にぐいっと腕を引っ張られた。 「ちょっ…、司ぁ、どこ行くん?」 「いーとこ」 「もう、どこなん?」 聞いてもきちんと教えて貰えないまま、司の後についていくと、 図書館の裏に設けられているベンチが置かれた小さな建物だった。 「ここだったら屋根もあるし、見えんやろ?」 「正面からは見えるもん。ちょっ…、んっ」 文句を言い終える前にキスをされて何も言えなくなった。 「……俺の背中が見えるだけやけんいいやろ?」 「もう、いつも強引なんやけん」 少し離れた司が笑いながら言ってきたから、ひとこと言い返したけど…、 「葵がカワイイけんしゃーないやろ?葵のせいやろ?」 「もう…」 私のことを優しく見つめながら囁いてくるから、文句を言いたいのに、また見とれてしまう。
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