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「葵ぃ、顔…まだ赤いんやけど、俺のせいなん?」
「…違うもん、暑いだけやもん」
意地悪っぽく笑いながら言ってくるから、思わず解りやすい嘘をついてしまった。
「ふっ、嘘つき」
「……ホンマやもん」
苦しい嘘って解ってるけど、認めたくなかった。
司のことをもっと好きになっていく自分を……。
「葵ぃ、どんどん真っ赤になっていくんやけど」
「……もう、司のイジワル」
笑いながら司に言われて余計、
自分でも解るぐらい熱くなっていくから、司の胸にポスッと顔を埋めた。
そしたら司が凄く優しい声で囁きながら私の頭を撫で始めた。
「葵ぃ、イジワル言うてごめんな?」
その間、私は司の胸に顔を埋めたままでいたけど…、
「いつもイジワル言うてしまうけど、出逢ってからずっと葵のことっ…」
これ以上…
司の言葉を聞いてしまったら、
もう司から離れることなんてできなくなりそうで…、
ううん、離れることなんてできなくなってしまうから、司の言葉の続きをキスで遮った。
司の首に腕を絡めて僅かな隙間もできないように何度も何度も……。
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