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「葵ぃ」
「…ん?」
暫く私に応えてくれてた司に呼ばれて瞼を開けると…、
「急にどしたん?」
「スーツ着とうけんかな?司が大人っぽいけんドキドキして緊張する。ほなけんあんまり言わんとって」
顔を隠すために少し俯き気味に言うと、
「アホッ、葵だけと違うけん。俺も緊張しとうけん」
「嘘つき、笑いようよ?」
司が笑いながら言ってきたから
信じられなくて、少し怒ったように聞いてしまったのに…、
「ニヤケとうだけやし、俺も葵が綺麗やけん緊張しまくっとうけん。俺らってふたりともアホやなぁ?」
「うん」
照れて言いながら、ぎゅっと抱きしめられて腕のなかで小さく頷いたら、
「葵ぃ、俺ここで初めて葵のこと見掛けた」
「え?」
急に言うから驚いてしまった。
「見掛けてからも、ここで何回もスレ違ったし。ほなけんここに連れてきた。葵に知ってて欲しいけん」
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