.。o○.めぐる季節~卒業~後編。o○

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「葵ぃ、脚だるいけん早うっ」 「もう、司が勝手にしようけんでぇ」 「葵がトロいけんだろ、はい」 「もう、強引なんやけん」 そう言って腕を引っ張るから、 そっと司の背中に身体をゆっくり預けた。 あの夜と変わらず、細身なのに大きくてあったかい背中に…。 「葵ぃ、おもっ」 「司のアホッ」 司の声を聞きながら背中に顔を埋めていると、また泣きそうになってしまう。 「なぁ、葵ぃ、覚えとけよな?」 「え、なにを?」 「俺、女の子おんぶしたん葵が初めてやけん。俺が子供おんぶするとき拗ねんようにしろってこと」 「私、そんなんで拗ねたりせんもん、アホッ」 「葵、すぐ拗ねるし、すぐ怒るやろ?」 「もう、司やキライ」 「そんなん言いながら、今スゴい嬉しいクセに、また泣くんやろ?」 「泣かんもん」 司の優しい声が身体に響いてくるたびに、司との思い出がたくさん溢れてきてしまう。 涙と一緒になってとめどなく溢れてきてしまう。
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