127人が本棚に入れています
本棚に追加
「葵ぃ」
「……ん?」
部屋に戻ってお風呂に行こうとしたら、司に後ろから抱きしめられて動けなくなった。
「俺も入る、その前にこっちが欲しい」
「……っ…」
司はそう囁きながら、
私の背中を壁にそっと預けて腕に閉じ込めると、優しくキスをしてきた。
「腕、出してみて」
司の声で瞼を開けると、
いつのまにかネクタイを緩めてて、スルッと引き抜くと私の両手首に巻き付けて結んでしまった。
「卒業祝、な?」
「ちょっと外して」
「イーヤ、俺のやもん」
「もう、司の変態」
「リボンの代わり、すぐ外れるし、どうせ俺から離れんと抱きついてくるクセに」
「司のアホッ」
「でも好きなんやろ?」
「キライ」
少しイジワルく言いながら、
司が首筋に顔を埋めてくるたびに、熱を感じるたびに…、
司の首にかけた腕に力を込めて抱きついていることしかできなかった。
司が言ってた通りネクタイがスルッと外れて滑り落ちてもずっと……。
最初のコメントを投稿しよう!