.。o○.めぐる季節~卒業~後編。o○

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「葵ぃ、顔みせて」 「イヤ」 司に見つめられるだけでドキドキしてた。 「葵ぃ、綺麗やけんな」 「……んん」 司の声が聞こえるたびにドキドキしてた。 「葵ぃ、声きかして」 「んっ…イヤ」 「葵ぃ」 「司ぁ」 司の熱を感じるたびにドキドキしてた。 「葵ぃ、いけるん?」 「司ぁ、ムリ、だっこして」 「しゃーないなぁ」 「司のせいやもん、アホッ」 「アホって言うな」 「私よりアホって言よったのに」 「それとこれとは別やろ?」 「よう解らんのやけど」 「ほな、もう一回教えようか?」 「イヤ、それよりだっこして?眠いけん」 司に応えるのに精いっぱいだった。 いろんな司のことを覚えていたくて、司のことでいっぱいにするために…。 大好きな司から卒業するために…。 眠ってしまうのが勿体なくて、司の腕のなかでずっと甘えてた。 司の腕のなかで居られるのが本当に嬉しかった。
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