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「葵ぃ、顔みせて」
「イヤ」
司に見つめられるだけでドキドキしてた。
「葵ぃ、綺麗やけんな」
「……んん」
司の声が聞こえるたびにドキドキしてた。
「葵ぃ、声きかして」
「んっ…イヤ」
「葵ぃ」
「司ぁ」
司の熱を感じるたびにドキドキしてた。
「葵ぃ、いけるん?」
「司ぁ、ムリ、だっこして」
「しゃーないなぁ」
「司のせいやもん、アホッ」
「アホって言うな」
「私よりアホって言よったのに」
「それとこれとは別やろ?」
「よう解らんのやけど」
「ほな、もう一回教えようか?」
「イヤ、それよりだっこして?眠いけん」
司に応えるのに精いっぱいだった。
いろんな司のことを覚えていたくて、司のことでいっぱいにするために…。
大好きな司から卒業するために…。
眠ってしまうのが勿体なくて、司の腕のなかでずっと甘えてた。
司の腕のなかで居られるのが本当に嬉しかった。
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