.。o○.めぐる季節~卒業~後編。o○

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「司ぁ、おめでとう」 「ありがとう」 部屋に戻ってからネクタイの包みを開ける司を見ていると、 「葵ぃ、なんで3本なん?」 不思議そうな表情で聞いてきた。 「選んだネクタイを毎日使って欲しいなぁって思ったけん。色も柄も違うけど、イヤだった?」 1本は司と一緒に見たけど、 他のは私が選んだから気に入らなかったのかとか、毎日使ってなんて重くないかなとか、 不安になりながら言ってみると…、 「イヤな訳ないやろ?アホやなぁ」 そう言って、 ギュッと抱きしめてくれたけど やっぱりまだ不安で、もう一度聞いてみた。 「毎日使って欲しいとか言われて重いことない?」 「使ってって言われんでも毎日使うし。重いや思う訳ないやろ? そんなこと言うな、いらん気遣うな」 私の言葉を聞いた司は、 私の顔を覗き込んできて怒ったように言うと、さっきより強く抱きしめてくれた。 不安に思ってたことを拭ってくれて嬉しかった。 「司ぁ、ごめん」 「謝るな」 「うん」
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