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「司ぁ、おめでとう」
「ありがとう」
部屋に戻ってからネクタイの包みを開ける司を見ていると、
「葵ぃ、なんで3本なん?」
不思議そうな表情で聞いてきた。
「選んだネクタイを毎日使って欲しいなぁって思ったけん。色も柄も違うけど、イヤだった?」
1本は司と一緒に見たけど、
他のは私が選んだから気に入らなかったのかとか、毎日使ってなんて重くないかなとか、
不安になりながら言ってみると…、
「イヤな訳ないやろ?アホやなぁ」
そう言って、
ギュッと抱きしめてくれたけど
やっぱりまだ不安で、もう一度聞いてみた。
「毎日使って欲しいとか言われて重いことない?」
「使ってって言われんでも毎日使うし。重いや思う訳ないやろ? そんなこと言うな、いらん気遣うな」
私の言葉を聞いた司は、
私の顔を覗き込んできて怒ったように言うと、さっきより強く抱きしめてくれた。
不安に思ってたことを拭ってくれて嬉しかった。
「司ぁ、ごめん」
「謝るな」
「うん」
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