.。o○新たな季節へ.。o○

18/24
116人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
自分で決めたことなのに…、 覚悟なんてできてなかった私は、顔を両手で覆い隠してその場にしゃがみこんでしまった。 「葵?」 「……うっ…」 剛の心配そうな声が聞こえてくるけど…、どうすることもできなくて、泣き崩れたまま動けなかった。 「…葵」 「……ん?」 どれぐらい泣いてたのか… 気づいたら、剛が背中を擦りながら私の名前を呼ぶ声が聞こえてきて、 少し落ち着いた私は、ゆっくりと声のする方へと顔を上げた。 「…葵も」 「……え?」 言われたことの意味が解らなかった私は剛を凝視した。 「……葵も、また誰か好きなヤツができるかもしれんやろ?」 真剣な表情で言う剛は、 私のことを考えて言ってくれたって解ったけど……、 私は、これから先も司のことを忘れることなんてしたくもなかったし…、 きっとこれから先、 ずっと、ずーっと…、司を忘れることなんてできないって自信があったから、 「…ううん、私、一生…ムリと思う」 剛から視線を逸らさずに真っ直ぐ見つめたまま伝えた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!