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泣き疲れて眠ってしまった私は、
小さい頃に初めて行った眉山で、迷子になった時の夢を見た。
「うわぁん、おねぇちゃぁん」
「どうしたん?」
お姉ちゃんとはぐれてしゃがんで泣いていたら、私より少し身体の大きな男の子が心配そうに顔を覗き込んできて…、
「ヒック…ヒック」
「いける?ヨシヨシ」
声を掛けながら男の子は泣き止むまで優しく頭を撫でてくれていた。
「ありがとう!」
「どういたしまして」
泣き止んだ私が顔を上げると、とっても優しくニコッて笑いかけてくれた。
「あ、あれみてもいい?おにいちゃん、いっしょにいこう!」
「は?ちょっ、まって」
おにいちゃんの笑顔を見て安心した私が、グイグイ…腕を引っ張って、展望台に向かって走り出してしまった。
「うわぁ、すごいキレイ!」
「うん」
展望台に着いて、二人で手を繋いで仲良く並んで眺めてると…、
夢の筈なのに、手からじんわりと優しさが伝わってきて、こころがあったかぁくなっていくような気がした。
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