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「葵ぃ、お義兄さんの弟さんも、いつも居るんだろ?」
「あぁ、うん。自炊するんが面倒臭いんやって」
「1年って言よったもんな?俺も面倒臭かったなぁ、慣れたら結構…楽しいけど」
「司、料理上手やったもんね」
「葵が帰って来たら作るわな?最近は葵が作ってくれよったけん」
「……うん」
一緒にテレビを観ながら、楽しそうに笑いながら寝転んでいる司の傍で、
時々私の方に振り向いて話しをする姿を目に焼き付けるように見つめてた。
こうやって、いつも一緒にテレビを観ながら色んな話しをしてのんびり過ごしたことや、
休みの日になると色んな所に連れていってくれたことや…、
熱を出して寝込んでると、ずっと家に居て診ていてくれたこと。
病院で膝枕してくれたり、頭を撫でていてくれたこと。
司と初めて出逢ったときのこと。
今でも昨日のことのように鮮明に思い出すことができる。
私にとってどれも忘れることのできない大切な宝物だから。
私にはこのたくさんの大切な宝物があるからきっと大丈夫。
新しい季節になって、例え違う道を歩くことになったとしても…。
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