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「葵ぃ、そろそろ送っていこうか?」
テレビを観ていた司が、
急に私の方に身を乗り出して聞いてくるから、一瞬…驚いてしまった。
今…どんな顔をしてるのか自分でも解らなくて不安だったから…。
「……お昼、食べてから…、ゆっくりでいいよ?」
「うん、あ、お昼…俺が作るわな? チャーハンやけど」
けど、いつもと変わらない司にホッと安心することができた。
「うん、ありがとう。司のチャーハン美味しいけん、嬉しい」
「葵ぃ、チャーハンでそんな喜ぶなって、簡単やのに」
「そんなことないないよ、私のより美味しいもん」
「そんなん言って、俺がいつも作るようになったりしてな?葵にいいように使われそうやな、俺、葵のオダテに弱いけん」
「そんなことないもん、ホンマに美味しいもん」
「解ったって、ほな…イッパイ作るわな」
「うん。私も手伝う!」
「いいって、今日は俺がするけん。座ってろって、な?」
結局、司の言葉に甘えることになった私は、司がお昼の準備をしている後ろ姿を見つめていた。
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