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「葵ぃ」
「……ヒクッ」
3年ぶりに逢った司の隣に、
こうしてまた座っているのが夢みたいで…、
戻って来るように言って貰えたのもまだ信じられなくて…、
ただ…ぼんやりと膝の上で私の手を包んでくれている司の手を見つめていた。
「葵ぃ?」
「…ん?」
そんな私の名前を優しく呼ぶ司の方をゆっくりと見上げると、
グイッ…と肩を引き寄せられて、胸に顔を埋めるように抱きしめられた。
「つ…かさぁ?」
「葵ぃ…」
司の声は僅かに震えてて、切なく身体から響いてくる。
さっきまで、普通に話してた司が泣いてるのが解って…、
胸がギュッて締め付けられるようで、苦しくてしょうがない。
私のせいで泣いてるんだと思っただけで、心苦しくなってくる。
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