.。o○動き出した季節.。o○

5/28
前へ
/28ページ
次へ
その瞬間、 今までの想いが堰を切ったように止めどなく溢れてしまった。 気づいた時には、司の首に腕をまわして、しがみつくように抱きついてしまってた。 「……私もっ…。私も、もう司から離れたぁないっ」 必死になって言いながら、司にすがりつくように……。 「うん。ほなもう、離れたりすんな!」 「……けど…、竜司くんは?」 司の言葉は嬉しいけど、 やっぱり罪悪感のようなものを感じてしまった私は…、 司から直接聞きたくなかったことを、声にしてしまってた。 いくら解ってることでも、司から聞いてしまったら、辛いだけなのに…。 「は?!なんで竜司の名前が出るん?」 「………」 目を見開いて、驚いたように言う司の声をこれ以上聞きたくなくて、咄嗟にバッ…と両手で耳を塞いだ。 「おい、葵ぃ?」 「イヤー、聞きたくないっ。司からなんて聞きたくないっ!司のアホッ」 「おいっ、葵ぃ?聞けって」 どうして言ってしまったんだろうって後悔しながら……。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加