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「司ぁ」
「ん？」
やっぱり子供をあやすみたいに優しく頭を撫でながら話す司の声に凄く安心する。
あったかくて優しい腕の中、
落ち着きを取り戻した私は、司の胸に顔を埋めたまま、聞いてみることにした。
「…竜司くん、元気なん？」
「ん？……うん」
聞いてはみたものの……、
司から聞くと、やっぱり胸をギュッて締め付けられるようで、胸が苦しくってしょうがない。
司の胸に思わずギュッとしがみついてしまった。
「葵ぃ？ なんで泣くん？」
「泣いてないもん…」
「泣きながら言うなって、な？」
そう言いながら、
私の身体を少しだけ離して、顔を覗き込んでくるから、見られるのがイヤでピタッと司にくっついたのに…、
「なぁ、葵ぃ？俺、竜司のこと話したことあったっけ？」
今度は、
肩を掴んで引き剥がそうとするから、堪らなくなって言い捨てるように喋って両手で顔を覆い隠した。
「司がそんな無神経だったなんて、知らんかったぁ。アホッ」
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