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「お大事に!」
「お大事に!………で、やっぱりあのイケメン?」
午前中、
何人目かの患者さんを見送って、待合室に誰もいなくなったのと同時に、琴子先輩の尋問が再開された。
「ダメですよ?まだ、仕事中なんですからっ」
そう言って、外注に出していた血液検査の用紙をカルテに貼る作業に取り掛かった。
「ケチ、いつもそんなに堅苦しいこと言わんのに!あーあ、やっぱり男ができたら冷たいなぁ」
「もう、大きい声でやめてくださいよ!患者さん来ますよ?」
「ちゃんと見てますよーだ!お昼に聞かせてよ?絶対!」
「解りましたって」
「なになに?どーしたん?小泉、機嫌悪そうやけど」
診察が途切れたと思ったら、診察室から出てきた倉田先生がいつものように受付を覗きにきた。
「あ、倉田先生ぇ、小泉って、ちょっと、イケメンの彼氏が出来たからって冷たいんですよ?」
「え?もしかして司のこと?あれって、冗談でなかったん?」
驚いたように、身を乗り出して聞いてくる倉田先生。
「あれ?知ってるんですか?」
あぁ、もう、話しがややこしくなったような気がするんやけど。
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