.。o○めくるめく季節の中で.。o○

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「失礼します。そろそろお時間です」 暫くすると、 控え室にドアをノックする音と美容師さんの声が再び響き渡り、 司からゆっくり離れようとした瞬間、 司にぎゅうっと抱きしめられて…、 「全部終わったら、今夜は朝まで離さんけん」 「え、もう、いい雰囲気だったのに。これから式やし、司のアホ」 少し笑いながら、そんなことを言ってくる司に呆れながら文句を言うと、司も言い返してくるから、段々言い合いになってきた。 「葵が悪いんやろ?さっきから可愛い反応するけん、つい、言うてしまう」 「可愛い反応するって言われても、解らんもん」 「そういう反応。俺見て恥ずかしそうにするとこが可愛すぎる」 「司がカッコいいけんやもん。仕方ないでぇ」 「また、そんな顔で見る」 「見てないもん」 2人で何時までも言い合いをしていたら、 ドアを少し開けて顔だけを入れてきた美容師さんに「お取り込み中に申し訳ないんですが、お時間なんで」と、申し訳なさそうに声を掛けられてしまい、とても恥ずかしい思いをすことになってしまった。 その後、司と私は仲良く、何もなかったように、式場となる大麻彦神社へと向かったのだった。
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