.。o○めくるめく季節の中で.。o○

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大麻彦神社に着くと、両家の親族に迎えられて、早々に挨拶を済ませ、神前式の行われる奥へと移動することになった。 巫女さんに誘導されて、 背筋をピンと伸ばし緊張した表情で進んでいく司の後ろをゆっくり歩いた。 神棚の前まで来ると、右側に司が、左側に私が肩を並べるようにして椅子に座った。 司の方をチラッと見ると、凄く緊張しているようだったけど、私に気づくと、ニコッと笑顔を向けてくれる。 私も、ガチガチに緊張していたけど、司の笑顔のお陰で緊張が少し和らいだ気がした。 神職の男性が入場し、いよいよ神前式が始まった。 神職が御祓詞(ハラエコトバ)を唱えて、参列者の身を浄めるためのお祓いから始まり、 神職が神に結婚の報告と結婚を祝う祝詞(ノリト)を読み上げたり、三三九度をしたりと、終始緊張しっぱなしだった。 なかでも一番緊張したのが、誓詞奏上という、新郎新婦が誓いの言葉を読み上げること。 といっても、司が巻き紙に書かれている言葉を読み上げてから、名前を言った後、私は自分の名前を言うだけだったけれど……。 そのことを後で司に言ったら、「葵は名前言うだけやのに、ふざけるな。俺がどんなけ緊張したか知らんやろ?」って呆れたように言われてしまった。 その後も、指輪の交換や玉串奉てん、親族での盃等を済ませ、神前式を無事に終えることができた。
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