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ホテルの部屋に戻る途中、
「さっきは、ごめんな」
「え、なんのこと?」
急に、そう言ってくるから驚いて、司を見上げて聞き返すと、
「雅人のこと。アイツ、俺の代わりにだいぶん飲まされたけん、変なこと言われたやろ?イヤな思いさして、ごめんな。けど、悪気はないけん、酒のせいやけん、許してやってな?」
眉を八の字にさせながら言ってくる司は、本当に申し訳なさそうな表情をしている。
「あぁ、うん、いつもあんなこと言わんけんびっくりしたけど、いいのに。司の大事な友達やもん、嫌ったりせんよ。由貴の彼氏やし」
「うん、そうやな?けど、ありがとう」
「なんか、雅人さんが羨ましいになってきた」
「は!?なんで?」
今度は、驚いた後、怪訝そうな表情をして言ってくる。
「司に、大事にされとうけん」
「アホやなぁ?葵のほうが大事に決まっとうやろ。解れよ?」
「ごめん。雅人さんにまで嫉妬して、呆れた?」
思わず、本音を言ってしまったことを後悔してしまった。
怒ったように言う司に、呆れられたと思ったから…。
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