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「呆れた」
「……ごめん」
司の言った言葉に、落ち込んでしまった。
「違うって!俺がこんなに葵のこと想っとんのに、全然わかってない葵に、呆れたって意味やけん。勘違いすんな、アホッ。
けど、雅人にまで嫉妬してもらえて、メチャクチャ嬉しい」
そう言ったかと思ったら、ヒョイッ…と軽々と抱き上げられてしまった。
「もう、急になに?びっくりするよ、エレベーター揺れるけん怖いし…んん」
停まったら、誰かに見られるよって言おうとしてたのに、
「ほな、こうしたら怖いことないやろ?」
そう言いながら、深く口付けをされて何も言えなくなってしまった。
暫くして、
エレベーターが宿泊する部屋の階で停まる間際、やっと解放されたと思ったら…、
「葵ぃ、マジで、朝まで離せんかもしれん」
「もう、司のアホッ」
「しょうがないやろ?葵とやっと結婚できたのに、寝たら夢になりそうで怖いんやけん」
今度は、そんなことを言ってくるから、私が怒って言うと、真剣な声色で言ってから、胸に抱き寄せられた私は、何も言えなくなってしまった。
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