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部屋のなかに、口付けを交わす度に、その音だけが、際立って聞こえてきて、恥ずかしくなってゆくのに…、
身体は言うことを聞かずに、司に呼応するように応えて反応してしまう。
「葵ぃ、色っぽい」
「…イヤ、そんなん言わんとって…っ…、」
唇を少しだけずらして言ってくる司の声に、ゾクッ…とする。
「ホンマのことやけん。しゃーないやろ？」
「イヤ、んっ…」
そう言いながら、首筋に顔を埋めて、ゆっくり熱い唇と、舌を滑らせてゆく。
無意識に漏れてしまう吐息が恥ずかしいのに、それに伴って、身体の力が徐々に抜けて、体温がどんどん上がってゆく。
「葵ぃ、こっち見て？」
声のするほうへ視線だけ向けると、司の熱い視線に逃げられなくなる。
「司ぁ」
「葵ぃ、可愛いよ」
ただ、司に全てを委ねて、愛ぉしい名前を呼ぶことしかできなくなってゆく。
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