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ゆっくり…胸元に熱い口付けを何度も降らされて、どうすることもできなくなって…、
堪らず司の頭を抱き寄せて、短めの髪を何度もかき混ぜるように撫で続けた。
「葵ぃ」
胸元に顔を埋めたまま視線だけを向けられて、視線が絡んだまんまで、恥ずかしいのに動けない。
「つ、かさぁ」
「葵ぃ、愛してる」
僅かに唇をずらして言ってくる司にドキドキする。
「ここも」
言ったかと思うと、少しずつ移動してまた埋めてずらしてを繰り返して、囁いてくるから、恥ずかしくて堪らない。
そのうち段々なんにも考えられなくなって、司にすがりついて応えることしかできなくなってゆく。
「葵ぃ」
「……つか…さぁ」
「葵ぃ」
「んっ……」
司に名前を呼ばれる度に、譫言のように、愛ぉしくて堪らない司の名前を何度も呼び続けた。
愛ぉしくて、愛ぉして堪らない司の腕のなかで意識を手放すまでずっと……。
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