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司の踊っている姿を見つめていると、
「ママ?どうしたん?」
「あ、イブキがこまらせて泣かせたん?ママ、いける?」
「ううん、違うよ。ごめんね」
司と出逢ってからのことを思い出して、知らないうちに泣いてしまってて…、2人に心配されてしまった。
司と出逢ってからの私は、本当によく泣くようになったと思う。
小さい頃から、
頑固で、気が強くて、人に弱いところを見せるのが嫌で、人にも頼るのが嫌で、人に泣いてるところなんて見せたこともなかったのに…。
でも本当は、そういう自分のことが嫌いだった。
もっと素直になりたかった。
誰かに素直に甘えたかった。
けど、どうしても、素直になることができなかった。
もう、ずっと、素直になることができないって思ってた。
今日みたいに、
阿波おどりのぞめきが溢れる
暑い夏の夜に、司に出逢うまでは……。
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