153人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
司と結婚することができてから、早いもので、1年が経とうとしている。
愛ぉしい大切な人と一緒に過ごす幸せな時間っていうのは本当に早く過ぎてしまうんだなっていつも思わされる。
前に司が言ってたように、勿体なく感じてしまうほどに……。
「葵ぃ、なんかいつもより熱い気がする。今日は病院行けよな?」
「え、そうなんかなぁ?」
朝、目覚めて、
いつものように司の腕の中でぼうっとしてると、胸に強く抱き寄せられ、心配そうな表情をした司に言われて初めて気がついた。
「葵だけの身体でないんやけん、絶対に行けよな?」
「…うん」
ぎゅうっと強く抱きしめて、本当に心配そうに言うから、心配して欲しくなくて、素直に頷いたけど、本当は不安な気持ちで一杯だった。
「心配すんなって、寒いときやけん、風邪くらい誰やってひくって。そんな顔すんなって、な?」
「うん」
そんな私のことに直ぐに気づいてくれて、優しく言い聞かせるようにして、頭を撫でてくれる司の優しさのお陰で安心することができた。
最初のコメントを投稿しよう!