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「いいけん寝とけって。動き回って熱が上がったらしんどいだろ?」
司が出勤する準備を始めたら、じっとしてるのが嫌で、何かしようとすると怒られてしまい、
仕方なくベッドに横になった私は申し訳なくて謝った。
「うん。心配かけてごめん」
「謝ったりすんな!俺のことより自分のことちゃんと大事にしろっていつも言ようだろ?
葵の身体は俺のもんでもあるって前にも言うたやろ?大事にせんかったら葵でも許さんって。
それに、葵は俺の奥さんだろ?旦那の俺が心配するんは当たり前やろ?
ホンマに葵はアホやなぁ」
けど、余計、司に怒られることになってしまった。
熱のせいか…、いつもより司の口調がキツい気がして、シュンとしてしまった私は、泣きそうになったから、そっと布団で顔を隠した。
そしたら直ぐに、
「言い過ぎた、ごめん。俺がしっかりせなあかんのにな?一緒におるのに、体調のこと、もっと早う気づいてやれんかった自分に苛ついただけやけん、葵に怒ってないけん、ごめんな。泣くなって、な?」
慌てたようにそう言うと、布団ごと抱きしめてくれた。
けど、司がそんな風に私のことで自分を責めていることにショックを受けてしまった。
司は全然悪くなんかないのに……。
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