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「カナ! 電車来た」
「うわ、待って待って!」
カッチンと2人、駅の通路をバタバタと走り、ホームの階段を猛スピードで下りる。
なんとかドアが閉まる前に滑り込むと、肩で息をしながら私は下を、カッチンは上を見て胸をなで下ろす。
「あー、遅刻は免れた。ハギ大王マジ怖いからね」
ハギ大王というのは、私達のクラスの担任の萩野先生。
風紀にめちゃくちゃ厳しい。
「カッチンが家から出てくるのが遅すぎるからだよ」
「だって、うちのお母さん3回起こして起きなかったら、もうほったらかしなんだもん」
「完全にカッチンが悪いでしょ」
カッチンは家が3軒隣の幼馴染の女の子で、名前は千佳。
小中高ずっと一緒で、高校1年の私達はクラスも一緒になった。
習慣のように一緒に登校する、一番仲良しの友達だ。
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