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ほんの少し息切れしながら、羽島さんに鍵を借りて玄関に入り、支えていた体を床に下ろす。
マンションの7階。
エレベーターがあるにしても、ずっと体重半分を預けられての移動はきつかった。
「ここでいいですか?」
「ん」
「ちょっ――」
まるで溶けるように床にうずくまり、そのままごろんと寝そべる羽島さんに、私は思わずしゃがみ込む。
「力振り絞って体起こしてください。這ってでも寝室行って寝てください。
鍵は私が外から閉めてボックスに落としておきますから」
「あー……、冷やっこい……」
「羽島さんっ」
聞いちゃいない。
腕を引いて起こそうとするけれど、床にはりついてそのまま寝る勢いの羽島さん。
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