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ていうか……。
「……」
どうしたんだ、小宮さん。
いつも率先して話のかじ取りをするのに、今日は小さく縮こまっている。
そもそも、小宮さんは南条さんの補佐で営業事務をしているんだから、毎日話しているし、そんなに壁はないと思うんだけど。
八宝菜を口に運びながら、チラリと小宮さんを見ると、なんとなくモジモジしている。
まるで……。
「小宮さん、箸が進んでいないようですが、中華は苦手でしたか?」
「いえっ、いえいえっ、そんなこと全然ないです! むしろ大好物です! 今食べますっ」
南条さんに声をかけられて、慌てて春巻きをひと口で食べる小宮さん。
案の定むせて、ケホケホ言いながらジャスミンティーを喉に流し込んでいる。
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