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もう過去の質問はいいじゃないか、というしかめっ面を返す前に、
「南条とデキてんの?」
と、見当違いな問いが投げかけられる。
「は?」
「昨夜見たから。夜、2人でいるとこ」
「……」
あー……、昨日の。
同時に車道越しに見た光景も思い出し、
「私も見ました。羽島さんが女性と歩いているところ」
とすかさず返す。
「あぁ、あれは幼馴染……」
「お似合いでした」
昔も、今も、と心の中で付け加える。
あいかわらず笑顔が似合うキレイな人。
羽島さんにとって大切な女性だっていうことも、ちゃんと伝わってきた。
頬杖をつきながら、私の顔をまた無表情で見る羽島さん。
食後のコーヒーがテーブルに運ばれてきて、湯気が上るそれを一口啜る。
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