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「そっちは不釣り合いだったよ」
「え?」
「イケメンとサル」
「……」
人のことは言えないけれど、なんだっていちいちつっかかってくるんだ、羽島さんは。
私はフォークを置いて真顔を返した。
さりげなく視線を逸らした羽島さんは、コーヒーをもう一度口に運ぶ。
「手強いよ、南条は。ミーハー気分で近付いても、どう……」
「ほっといてください。どうなるかわからないじゃないですか」
どうなる気もないのだけれど、売り言葉に買い言葉で思わず言い返してしまった。
これじゃあ、私が南条さんのことを好きって言っているような感じになるけれど、別にどうでもいいや。
「……。業務に支障をきたすなよ」
呆れているのか、鼻から息を吐きながらそう言った羽島さん。
私は、彼の前ではどうしてこうも大人げなくなってしまうのか自問しながら、ひたすら残りのランチを口に運んだ。
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